初乳品質を迅速に容易に判定する
その他の幼少時期の動物とは異なり生後の子牛はこの世の細菌や病気と闘うための重要な抗体を母胎内で母牛の血液から取得しておらず、生後数時間の初乳から得ます。すなわち、幼い子牛に可能な限り速く十分に高品質の初乳を給餌して強く健康な免疫系を育てなければなりません。
ポケットサイズのシンプルな補助手段である新製品H&L 屈折計が初乳の品質を決定し、十分な初期免疫力形成を確実にするために役立ちます。このデバイスは分析に光を使用します。初乳やさらに血清等の分液する液体のサンプルをランプで照らします。液体内のタンパク質が光を屈折させ、これを屈折計が計測します。初乳のタンパク質は大部分が抗体免疫グロブリンG (IgG)で成るため、光の屈折率が高品質サンプルでは特に高いです。想定結果はBrix (°Brix)率として出力されます。
初乳検査
IgG濃度が50 mg/mlの初乳は高品質初乳と定義されます。この値のときBrix値は22°以上に相当します。Brix値が20°を割ると不十分と判定され、このため新生子牛の初日に与えることはできません。齢が進んだ子牛であればこのミルクでも栄養価は高いといえます。
血清検査
すでにご説明したようにH&L屈折計は初乳品質だけではなく、血清中の抗体濃度検査にも使用できます。この検査では新生子牛に十分抗体が供給され、基礎免疫力の付与が正常に完了したかを判定できます。免疫グロブリン濃度が10 mg/ml (7.8 °Brix)であれば子牛の生後数時間以内に抗体が十分供給されたものと判断できます。
ミルク内の乾燥物同定
全乳給餌の際にも屈折計が有用な場合があります。ミルク内の乾燥質量濃度は変動します。その原因は例えば、初乳量が異なることをはじめ、ミルクラインを哺乳の間に洗浄するため水が添加されることによります。H&L屈折計は% TSで乾燥質量を計測し、これに基づいてミルクに十分成分が含まれているかまたは粉乳で栄養価を高くする必要があるかを判断できます。ミルクの栄養強化にはミルクタクシー 4.0のSmartMix機能で便利な計算機として活用し、代用乳の正確な追加量を決めることができます。
さらに、H&L屈折計を使用して代用乳の適切な濃度を検査することもできます。